医師の紹介
診療内容
痔の中で最も多い痔核に対しては、手術後の痛みの緩和と入院期間の短縮を実現するために、できるだけ不要な切除を伴わない治療法を採用。切らずに治すALTA注射治療法はその代表だ。もともと中国で行われていた消痔霊という注射療法を日本で改良したもので、ALTAという注射薬によって内痔核を縮小させる。メスを入れないので術後の痛みが少なく、入院期間も短期間で済む。2005年に健康保険適応となり注目されているものの、安易に行うと様々な合併症の危険があるために、現在は資格を持った医師に限って施行されている。同院の医師は全員が資格を持ち、治療法について熟知しているので安心だ。ALTA注射治療法だけでは改善しないような大きな痔核に対しては、必要に応じて肛門形成術を併用。痛みを軽減でき、また術後の大量出血の心配も少ないために、入院期間が大幅に短縮できる手術法を採用している。
痔瘻を根本的に治すためには、膿の詰まった痔瘻管をきちんと処置する必要がある。しかし、処理を行う際に不用意に肛門括約筋を損傷すると、肛門の変形や機能低下につながってガス漏れや便漏れで悩むことになる。最終的には人工肛門に頼らざるを得なくなることもあり、痔瘻の手術は痔の手術の中で最も難しく、豊富な経験が必要とされる。とりわけ深部にできた複雑な痔瘻の手術は、非常に高度な技術が求められる。同院ではより安全で、肛門の機能を優先した肛門機能温存法を採用して、高い治療率と入院期間の短縮を実現。各地から複雑な痔瘻の手術依頼が寄せられ、年間800例を超える痔瘻手術が行われている。
便秘気味の女性に多く、痛みを伴う裂肛については、一般的には硬くなった肛門の括約筋を切開する手術が行われ、数日間の入院が必要となる。これに対して同院では、硬膜外麻酔をして、硬く狭くなった括約筋を正常な状態になるまでマッサージして引き延ばすという方法を採用。入院の必要はなく、翌日の排便時の痛みもほとんどない。学会発表や論文などにより全国的に広まりつつあるこの硬膜外麻酔を、肛門の手術に応用したのは同院が国内初。肛門の手術では一般に局所麻酔もしくは下半身全体を麻酔する腰椎麻酔が行われる。しかし、局所麻酔は麻酔時に強い痛みを伴い、腰椎麻酔は手術後に激しい頭痛を招くことがある。硬膜外麻酔なら肛門周囲の痛みを完全に取り除くことができ、2~3時間後には完全に覚めるので、車を運転して帰ることもできる。この麻酔の作用により、同院では裂肛・外痔核・肛門周囲膿瘍の日帰り手術が可能になっている。
医師プロフィール
1975年4月 市立室蘭総合病院 外科
1977年10月 札幌いしやま病院 開院
「痔」を専門とする医師
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岩垂純一 医師 (いわだれじゅんいち)
岩垂純一診療所
肛門科 所長
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梅枝覚 医師 (うめがえさとる)
JCHO四日市羽津医療センター
外科・大腸肛門病・IBDセンター 副院長 附属介護老人保健施設長 併任
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菊田信一 医師 (きくたしんいち)
仙台青葉クリニック
肛門科 院長
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國本正雄 医師 (くにもとまさお)
くにもと病院
肛門外科・胃腸内科・リハビリテーション科・形成外科・美容外科 理事長
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栗原浩幸 医師 (くりはらひろゆき)
所沢肛門病院
大腸肛門科 院長
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佐原力三郎 医師 (さはらりきさぶろう)
JCHO東京山手メディカルセンター
大腸肛門病センター 副院長 センター長
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高野正博 医師 (たかのまさひろ)
大腸肛門病センター高野病院
大腸肛門機能科 会長
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瀧上隆夫 医師 (たきうえたかお)
チクバ外科・胃腸科・肛門科病院
大腸肛門科 名誉院長 内視鏡センター長
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日高久光 医師 (ひだかひさみつ)
日高大腸肛門クリニック
肛門科、胃腸科 院長
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松島誠 医師 (まつしままこと)
松島病院
肛門科 理事長・院長