高野正博 医師 (たかのまさひろ)

大腸肛門病センター高野病院

熊本県熊本市中央区帯山4-2-88

  • 大腸肛門機能科
  • 会長

肛門科 外科

専門

肛門疾患、大腸肛門機能疾患

高野正博

1981年、当時はまだ医療界の対応が不十分であった大腸・肛門の分野で、より充実した医療サービスを提供すべく高野病院を設立。今日まで22万人に上る診療実績を誇っている。全国にさきがけて大腸肛門のはたらき(機能)の障害による排便障害等の診断・治療に取り組み、さらに女性専用外来の開設、痛み緩和などを目的としたアニマルセラピーの導入など、患者の立場にたった医療サービスを展開。同院は、医療の質や患者サービスを客観的に評価する「日本医療機能評価機構」によって優良病院の認定を受けている。

診療内容

同院では、一人ひとりの症状や社会的な状況を総合的に判断して、最適な治療が選択・適用される。例えば、痔の3大タイプの一つ痔核(いぼ痔)の治療については、入院期間の短縮を望む患者の要望に対応すべく、四段階注射療法「アルタ(ALTA)療法」を導入している。アルタ療法は、中国で内痔核の硬化療法剤として承認されている薬剤の添加物を一部変更した「ジオン注」と呼ばれる内痔核硬化療法剤の注射を用いた新しい治療法。わが国では2005年3月承認されている。それまでの硬化療法は、軽度の痔核や脱肛に対してのみ適用され、薬剤を痔核に注射して表面を繊維化させ固めてしまうものだった。根本的な治療法ではなく、数ヶ月で効果がなくなる場合もあった。しかし、治療自体に痛みはなく、1~2回の外来通院で治療可能であることも手伝って、選択されるケースが見られた。「ジオン注」による治療も根本治療ではなく1年後の再発率も16%といわれているものの、手術と従来の硬化療法との中間に位置する内痔核治療の新しい選択肢として注目されている。薬剤には脱出と排便時の出血を消失させる効果があり、従来は手術による治療が行われていた重度の内痔核にも治療効果が認められている。また、従来の硬化療法とは異なり1つの痔核について4つの部分(上極部粘膜下層・中央部粘膜下層・粘膜固有層・下極部粘膜下層)に薬剤を分割投与する「四段階注射療法」というより高度な手技が必要となる。手術に比べて、治療後の痛みや出血といった合併症が少ないため治療期間が短くて済むという利点があり、同院では患者の状態によっては入院当日にアルタ療法を実施。入院期間を1日短縮して、1~2泊の入院で施術が受けられるようにしている。
独自の先進的な取り組みも同院の特長である。大腸肛門疾患の専門病院として最良の医療を提供すべく、消化器外科、肛門科、大腸肛門機能科、消化器内科が一体となって治療に取り組んでいるほか、泌尿器科、心療内科、麻酔科が全面的なバックアップ体制で治療に臨んでいる。さらに各専門職がチームを作り、患者のQOL(Quality Of Life)に配慮した医療を実践。高齢者の手術時間の短縮を図り、 患者の負担を軽減する治療に取り組んでいる。また、肛門科の受診にためらいのある女性のために、女性専用外来を開設。症状がありながらもさまざまな理由で受診をあきらめる傾向がある女性に対して、受診しやすい環境を提供している。これらのほかにも、肛門疾患の夜間・休日の救急対応、肛門括約筋不全や直腸膣壁弛緩、近年増加しているクローン病に合併する肛門疾患といった難治性疾患への対応など、大腸・肛門の分野で、より充実した医療サービスを提供するという同院の設立理念は、時代を超えて今も大切に伝え継がれている。

医師プロフィール

1961年3月 熊本大学医学部卒業
1967年3月 熊本大学大学院医学科修了
1968年6月 社会保険中央総合病院大腸肛門病センター
1976年1月 熊本市民病院大腸肛門科部長
1982年1月 医療法人社団高野会高野病院 大腸肛門病センター開設