知的発達症(知的障害)〔ちてきはったつしょう(ちてきしょうがい)〕 家庭の医学

 知的なはたらき全般にわたって正常よりも低く、状況に適応する行動の能力も低い状態を指します。実際の年齢の70%の年齢でできるべきことができない場合が目安になります。男の子のほうが発症率が高くなります。

[原因]
 染色体異常、遺伝子異常、脳炎・脳症の後遺症、頭部外傷など、脳に障害を及ぼすものが原因となり、原因不明のことも多くあります。兄弟などに遺伝的に出ることもあります。進行性の病気であることや、からだの合併症を起こす病気もあるので、可能なかぎり原因疾患をあきらかにするため、医師の診察を受けたほうがよいでしょう。

[症状][治療]
 知能の程度により、軽度、中等度、重度、最重度に分けられます。赤ちゃんのときは、からだがやわらかく、運動発達の遅れとして気づかれることや、ことばの遅れとしてはじめて気づかれることもあります。生活習慣、社会的な行動、その他状況に対する適応などすべてに遅れがみられます。
 その他の症状として多動、自傷、興奮や同じ動作をくり返すなどの行動の異常を示すときもあります。てんかんや脳性まひの合併もあります。知能の程度にあわせて、教育、療育訓練、介護などをおこないます。くり返し、根気よく教えていくことが必要です。

【参照】こころの病気:知的障害

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