萎縮性腟炎〔いしゅくせいちつえん〕
更年期になると、卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し、腟が萎縮(いしゅく)して老人性腟炎を起こします。腟内の灼熱感、痛かゆさ、ヒリヒリ感をともないます。腟分泌物は黄色膿(のう)性となり、ときに悪臭も伴います。性器出血をみとめることもあります。エストロゲン補充が治療の第一選択となり、局所病変に対しては腟錠がよく使われ、内服や貼付薬のエストロゲン製剤を用いることもあります。
(執筆・監修:日本大学医学部産婦人科学教室 主任教授 川名 敬)