心臓カテーテル検査 家庭の医学

 手くびやひじ、足の付け根にある動脈からカテーテルという直径2mm前後の細い管を血管の中を通して心臓まで入れていき検査する方法です。
 心臓の中の圧力を直接測定することができ、造影剤という血管内の血液を白く染める薬剤を用いて心臓病の診断やどれくらい重症なのかを評価することができます。特に血管の治療をおこなう場合には必須の検査で、カテーテルから造影剤を注射して撮影をおこないます。造影剤はX線を当てると白く鮮明に映るため、血管の内側がよく見え、血管の狭いところがあれば、くびれとして見ることができます。
 心臓カテーテル検査は、冠動脈に狭いところがあるかどうか、もっとも正確に見ることができる方法で、バルーンで血管をひろげたり、心臓外科医によって血管をつなぐバイパス術をおこなう前には必要な検査です。また、心臓の中の部屋を映したり、心臓の中の圧力や血液の酸素濃度を直接はかったりして、病気の原因やどれくらい重症なのかを調べることができます。
 心臓電気生理検査も、広い意味でカテーテル検査の一つです。

(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団 附属 榊原記念病院 副院長/榊原記念クリニック 院長 井口 信雄