緊急避妊法 家庭の医学

 避妊をしなかった場合やコンドームの不適切な使用や破れたりしたあとの対処法として緊急避難的に用いる避妊法です。セックスのあと72時間以内に緊急避妊薬(黄体ホルモンの単剤:レボノルゲストレル配合剤)を1錠服用します。緊急避妊をしなかった場合に妊娠してしまう人の84%が妊娠を避けられるといわれ、約98%の人は避妊(妊娠を回避)できます。
 しかし、100%確実な避妊法ではなく、また本剤を服用後に再度性交をもってしまうと、避妊効果は消失します。医師に服薬指導を受け、処方してもらいますが、3週間以内に次回の月経がきちんとくることを確認し、以後の避妊は確実におこないましょう。最近はオンライン診療でも処方ができる医療機関もあります。なお、セックスから72時間が過ぎてしまうと、黄体ホルモンの単剤の服用で避妊できる可能性はきわめて低くなります。72時間を過ぎていても120時間以内であれば、銅付加IUDを子宮内に挿入することで、99%以上の人は避妊できます。銅付加IUDに関しては次の項を参照してください。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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