脳血管性認知症〔のうけっかんせいにんちしょう〕

 脳の血管は神経細胞のはたらきを支える重要なはたらきをしています。その血管が障害されることにより認知症の症状が出てくることがあります。症状は脳卒中の発作後に出たり、小さな脳梗塞をくり返すうちに知らず知らず出たりする場合があります。
 症状の特徴として、人格(人柄)がしっかりしていること、ちょっとしたことで泣いたり怒ったりすること(感情失禁といいます)、まひや言語障害などの神経症状を伴いやすいことなどがあります。頭部CT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像法)で梗塞などの所見がみられます。
 治療は、薬物療法と生活指導が大切です。高血圧動脈硬化症のための治療薬、脳循環改善薬、脳代謝改善薬などを使用します。また食事療法、運動療法を併用します。介護は、アルツハイマー型認知症に準じます。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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