厚生労働省は、若年層に献血への意識を高めてもらうため、新たに中学生向けの普及啓発テキストを2025年度にも作る。献血ができるのは16歳からだが、「将来の献血者」として早い段階から授業などで採り入れてもらいたい考え。若い世代の献血は減少傾向にあり、今後は参加を呼び掛けるイベントも検討する。
同省は1990年度から高校生向けのテキストを配布している。中学生用では献血の基礎知識に加え、普及啓発に取り組む生徒会や課題活動などを紹介する方針。授業で副読本として活用してもらうことなどを想定する。
献血の普及促進に取り組む中高生が、日ごろの活動などを同世代に向けて発表するイベントも検討。今夏にも委託事業者を選定し、25年度以降の開催を目指す。
22年度の全献血者数は501万人。うち40歳から上限年齢の69歳が334万人と、全体の7割弱を占める。近年、献血量と献血者数は増加傾向にあるが、若年層は減少傾向が続く。10~30代の献血者は12年度の251万人から22年度は167万人となり、10年間で3割強減った。
同省は16~39歳人口に占める献血者数の割合を25年度までに6.7%とする目標を掲げるが、22年度は5.3%にとどまった。担当者は「少子化で献血可能人口が減る中、将来にわたり安定的に血液を確保するためには、若年層への普及啓発がこれまで以上に重要だ」としている。 (C)時事通信社
中学生にも献血啓発テキスト=若年層の意識向上へ―厚労省
(2024/06/30 19:01)