東京大の研究グループは28日までに、世界各国・地域の気温や湿度と死亡データを分析した結果、日本や韓国、米国の沿岸部などでは「暑さ指数(WBGT)」が死亡リスクと高い関連を示すことが分かったと発表した。WBGTは湿度や日差しの強さなどから算出され、グループは「日本では気温と湿度が高い日に熱中症のリスクが高くなる。熱中症警戒アラートで用いる指標が有用なことが分かった」としている。
 研究グループは、世界43の国・地域の739都市について、1980~2019年の日別死亡データと気象データを分析。気温や湿度、WBGTなど複数の指標と季節の死亡リスクとの関連を調べた。
 熱ストレスを評価する予測指標は複数あり、国や地域によって効果的な指標が異なるが、日本やペルーなどでは、WBGTと死亡リスクの間に高い関連が確認された。蒸し暑さが死亡率に影響しているとみられるという。南アフリカやアルゼンチンなどでは、乾燥した暑さが死亡リスクに影響していた。
 また、気温やWBGTなどの指標について、年間の値が最も高かった10日間を過去40年分調査したところ、それぞれピークの時期が異なることも分かった。グループは「多くの国や地域では、熱中症警戒情報などの予測指標に気温を採用している。情報の正確性と有効性を高めるためには、適切な指標の選択が重要だ」としている。 (C)時事通信社