厚生労働省は25日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会で、一定の収入がある65歳以上の高齢者の厚生年金を減額する「在職老齢年金制度」の見直し案を示した。賃金と厚生年金の合計額が月50万円の基準額を超えると減額される現行制度について、62万円と71万円の2案を軸に基準額を引き上げ、年金額を増やす。来年の通常国会に提出する年金制度改革関連法案に盛り込む。
 働きながら年金を受け取る高齢者は2022年度末時点で約308万人。うち当時の基準額(47万円)を超えていたのは約50万人だった。見直しにより高齢者の働く意欲を高め、企業が抱える人手不足の解消につなげたい考えだ。 (C)時事通信社