小林製薬の紅麹(べにこうじ)配合サプリメントによる健康被害問題で、大阪市は19日、食品衛生法に基づく報告書を厚生労働省に提出した。原因物質と特定された青カビ由来の「プベルル酸」について、紅麹菌の培養中に混入したと判断。カビが混入した場合のリスクについて「十分認識できていなかった」として、組織の管理体制に問題があったと指摘した。
市は同社の旧大阪工場への立ち入り調査や、従業員に対する聞き取り調査を踏まえて報告書を作成。培養ドラムにカビの胞子が混入して増殖した可能性などに言及した。ドラムには経年劣化で亀裂があったという。工場内のトラブル情報が社内で共有されなかった事例も確認された。
その上で、同社の初動対応を「健康被害を複数探知した段階で行政に報告すれば、被害拡大の防止につながった」と問題視。「青カビが混入した場合を危害要因として考慮することが再発防止に資する」と結論付けた。 (C)時事通信社
カビ混入リスク「十分認識せず」=小林製薬の紅麹問題で報告書―大阪市

(2025/03/19 17:32)