男性ホルモン減少で更年期障害=寿命も短くなるとの調査結果も
テストステロンなどの男性ホルモン(アンドロゲン)の減少は男性の更年期障害を引き起こすことが最近の研究で分かってきた。さらに、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)老年病科の秋下雅弘教授は「テストステロンの数値が低い男性ほど寿命が短いという調査結果もあります」と警鐘を鳴らす。
◇減少で良いこと無し
アンドロゲンは、テストステロンやデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)などのステロイドホルモンの総称で、男性的な体や心に深く関係している。
精巣で作られるテストステロンは局所の血流を上げることによる勃起機能や造血機能、筋肉を増強する効果がある。「脳の前頭葉や視床下部、海馬にも影響を与えることから意欲や性欲、食欲などの欲求の他、記憶力にも関係していることが分かってきました」と、秋下教授は話す。
男性の生活活動全般に影響を与えているアンドロゲンは20代をピークに減少していく。そこにストレスが加わると、不眠やうつ、物忘れ、勃起不全(ED)、メタボリックシンドローム、動脈硬化や心筋梗塞などにまで発展する恐れがある。「アンドロゲンが減ると悪いことばかり、良いこと無しです」
(2017/08/14 10:59)