治療・予防

かかと乾燥注意報!
~炎症起こすと歩行にも影響~

 ◇やり過ぎ注意

 ドラッグストアなどで見掛ける軽石、やすりといったフットケア商品の使い方には少し注意が必要だ。「かかとを削り過ぎないこと。削ると余計な摩擦を生み、皮膚は一層硬く、厚くなる。特にまめに行うことはNGで、1カ月に1回程度で十分だ。硬さが気になるときだけでもいい」と今井医師。

「本格的な寒さに入る前の季節の変わり目には特に注意して」と話す今井医師

「本格的な寒さに入る前の季節の変わり目には特に注意して」と話す今井医師

 やり方にも注意しよう。やすりをかかとの面に対して平らに当てることや、目の粗くないやすりを選ぶことなどに気を付けたい。今井医師は「自分で行うと強くやり過ぎて出血する人もいる。なるべくプロに任せる方がいい」と話す。削った後は必ず保湿することが大切だ。

 皮膚を軟化させる液体に足を浸して角質を除去する商品も見掛けるが、肌の強い人向き。今井医師は「ピーリング剤で角質を溶かすため、かかとだけでなく、指の間など皮膚の弱い部分にも影響を及ぼす。足の裏の角質の厚さは均一ではないことを忘れないで」と呼び掛けた。

 ◇傷、出血、痛み、腫れあれば受診

 受診の目安を聞いた。「皮膚のひび割れから出血・浸出液が見られる場合、傷の周りが腫れたり赤みが差したりしている場合は病院へ来てほしい」と今井医師。足裏に痛みがあると、立ち上がるときや歩く際に体のバランスが崩れ、転倒のリスクが高まる。日常生活にも支障を来しかねず、かかとのカサカサを軽く見ると痛い目を見そうだ。

 別の疾患が隠されていることもあるという。今井医師は「2週間ほど保湿クリームを塗り続けても治らないときは、乾燥が原因ではないので、すぐに皮膚科で診てもらうよう勧める。掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や足白癬(はくせん)など皮膚病の可能性がある」と指摘する。指の間の皮がむけたり土踏まずの部分が角化したりするなど、特徴的な症状があれば疑ってほしい。

スマホで見る、気付く、ケアする、また見る…というサイクルを習慣化して、かかとの乾燥悪化を予防してほしい

スマホで見る、気付く、ケアする、また見る…というサイクルを習慣化して、かかとの乾燥悪化を予防してほしい

 ◇足の観察から始めよう

 かかとは、体の中で目から一番遠く、注意が行き届きにくい。今井医師は「一度、スマホのカメラで自分のかかとの写真を撮影・拡大すると状態がよく分かる。見る習慣が身に付けば、荒れ始めに気付くことができる。見ることから始めてほしい」と語る。しっかりと手入れした後に見て、ふっくら柔らかなかかとに変化していたら、ケアを続けるモチベーションになりそうだ。(柴崎裕加)



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