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希少疾患への理解を
~進歩する検査法~

名古屋市立大学大学院の武田恵利・特任助教

名古屋市立大学大学院の武田恵利・特任助教

 ◇遺伝カウンセリング活用を

 遺伝性疾患という病名を告げられると、患者は動揺する。二つの「どうして」があるという。一つは「どうしてこの病気が起きたの?」、二つ目は「どうして私に?」または「どうして自分の子どもに起きたの?」というものだ。不安を募らせたり、「子どもがこうなったのは私のせいだ」と自分を責めたりする。

 遺伝で悩む人たちを助け、その権利を守るための専門家が認定遺伝カウンセラーだ。カウンセラーで名古屋市立大学大学院の武田恵利・特任助教は「まず、遺伝カウンセリングという医療サービスを知ってほしい」と話す。

 「遺伝」という言葉から「難しい」「怖い」というイメージがつきまとう。しかし、武田・特任助教は「そうしたことは誤解で、敷居は高くない。遺伝カウンセリングができる施設は充実しており、気軽に相談ができる場所だ。ぜひ活用してほしい」と話す。

 遺伝カウンセリングに関しては課題もある。武田・特任助教は「現状では遺伝カウンセリングを行える施設には地域格差があり、オンラインでのカウンセリングを普及させる必要がある」と指摘するとともに、人材の確保を挙げた。日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が共同で認定する遺伝カウンセラーは、2023年12月現在で389人となっている。(鈴木豊)

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