治療・予防

発症に男女の差ない水虫=症状出ない冬期も治療を

 国民の5人に1人がかかっているとされる「水虫」。強いかゆみや皮のめくれ、水疱(すいほう)などに悩まされている人も多いはずだ。男性に多いと思われがちだが、実は男女差はないという。済生会横浜市東部病院(横浜市)皮膚科の畑康樹部長は「年間を通してしっかり治療をしないと、再発を繰り返します」と注意を呼び掛ける。

 ◇自己判断は禁物

 水虫は、白癬(はくせん)菌というカビの一種が、足裏の皮膚に感染して起こる。公共浴場のバスマットやスリッパなど、素足で触れる機会がある物からうつることが多い。高温多湿を好むため、足裏に汗をかきやすかったり、密閉性の高い靴を履いていたりするとかかりやすい。

 水虫のかゆみは、白癬菌を排除しようとする防御反応の表れで、「中には、あまりかゆみを起こさないタイプもあります」と畑部長は説明する。白癬菌には幾つもの種類がある。例えば、土の中や動物に寄生している白癬菌が人間に感染すると、ジュクジュクとしたタイプの水虫になりやすい。

 水虫は放置すると足の爪にも感染する。この「爪水虫」になると、爪の色が濁って分厚くなり、治りにくくなる。足以外にも、股部や背中、腹部などの体部、頭部など、体のあらゆる部分に白癬菌は感染するという。

 水虫によく似た病気もある。発汗異常性の湿疹は、水虫と同じようにかゆみを伴い足の裏に水疱ができる。あるデータでは、水虫だと思って受診した患者のうち、本当に水虫だった人は全体の67%にすぎなかったという。畑部長は「自己診断をせずに、まず受診してほしい」と強調する。

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