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足の爪トラブル、ロコモの一因に
~姿勢制御や歩行に支障~

セミナーでロコモの説明をする大江隆史氏=2025年3月

セミナーでロコモの説明をする大江隆史氏=2025年3月

 ◇1日6000歩が境目か

 爪の変形などで靴を履いたときに痛みが生じると、外出控えから歩行数の減少につながるかもしれない。その場合はどんな影響があるのか。

 健康関連情報・サービスをネット上で提供する「楽天シニア」のアンケート調査(24年12月下旬~25年1月下旬)によると、1日の歩数を尋ねる質問で最も多い回答は「4000~6000歩」となり、全体の33.9%を占めた。一方で「1000歩以下」も5.9%あった。

 歩数とロコモの関係について、日本整形外科学会などが立ちあげた「ロコモチャレンジ!推進協議会」の大江隆史委員長(NTT東日本関東病院院長)は「1日1000歩以下の人と6000~8000歩の人ではかなり様相が違う」と指摘。具体的には、1000歩以下だと年を取るほどロコモの割合が上昇するのに対し、「6000歩以上歩く人にその傾向は見られない。つまり、これぐらい歩ける人は年齢による差がなくなってくる」と説明する。

 もちろん歩数の多寡にはさまざまな要因が関わってくるが、いつまでも歩けるよう足の爪のトラブルは回避したい。

適切な爪の切り方(高山氏作成)

適切な爪の切り方(高山氏作成)

 ◇切り過ぎず、形は四角に

 爪のケアの基本は清潔に保つことだ。足の指を含め、入浴時にはせっけんやボディーソープで丁寧に洗う。洗い終わったら水分を拭き取るのも忘れずに。

 切り方も重要で、深爪を避けて皮膚の先まで覆うようにする。また、爪が四角い形になるよう直線的に切り、角の部分だけ丸みを持たせる「スクエアオフカット」が望ましい。

 平均寿命の延びに伴って高齢者が増加する中、健康寿命への関心が高まる一方で、医療費増大などが懸念されている。高山医師は「ノンアクティブシニアは歩けなくなることから始まり、食べられなくなり、認知症になる。そして脳血管疾患を発症し、寝たきりになるという人生が待っている。歩けなくなるのをできるだけ後回しにすることが超高齢社会に向けられた大きな課題だ」と、足の健康保持に向けた的確な対処の必要性を強調する。(平満)

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