メタボ体質の人は早めに治療=非アルコール性脂肪性肝疾患
治療の基本は減量だ。7%以上の減量で肝機能の回復が見込めるため、積極的な運動を心掛けたい。基礎疾患があれば、肝臓の保護を目的に、催胆薬やビタミンEなどで治療することもある。
食事療法も欠かせない。血糖値を上げやすい白米やうどんを控え、玄米やそば、パスタに変えたり、炭水化物よりも野菜を先に食べ、糖の吸収を抑えたりするなどの工夫が求められる。鉄分の取り過ぎは肝機能を悪化させるので、レバーや赤身肉、魚の血合いはできるだけ避け、野菜や果物を積極的に食べて活性酸素を減らすことも望ましい。
高橋院長が食事指導の一環として患者に紹介しているのが「ファイトケミカル・スープ」。ファイトケミカルとは植物由来の抗酸化成分のことで、リコピンやポリフェノールなどが知られている。
◇適切な指導受けて
作り方はカボチャ、タマネギ、キャベツ、ニンジンを100グラムずつ食べやすい大きさに切り、調味料は加えずに1リットルの水で30分ほど加熱するだけ。空腹時などに食べれば、ファイトケミカルと1日に必要な量の抗酸化ビタミンが手軽に取れ、治療に成功した患者も多いという。
「アルコール性脂肪肝は飲酒をやめれば回復することが多いですが、NAFLDは何年も改善しない人が少なくありません。健康診断などでNAFLDを指摘されたら、肝臓専門医のいる医療機関で適切な指導を受けてほしい」と高橋院長は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2018/07/09 15:32)