話題

高齢者多剤投与はやむなし
日本臨床内科医会アンケート


 ◇残薬は大きな課題
 残薬は日常の診療における大きな課題と認識しているかについても聞いた。「認識している」73%、「どちらかといえば認識している」21%、「どちらかといえば認識していない」3%、「認識していない」2%、「わからない」1%。残薬が重要な課題だと考えている会員の医師が圧倒的に多い。
 「残薬が多いのに、体調に変化がないことが分かったときは薬を減らすチャンスだ。常に減薬を意識して診療することが大事だ」
 「分包して投与する。合剤を積極的に活用する」
 「合剤を利用。カルテの見直しと本人や家族の説得に努めている」
 「高齢者へは投薬数を減らすことではなく、各剤の減量が必要だと考える。多剤少量・微量投与」
 「合剤は各種疾患の合併により1~2剤でコントロール不能のときに使用するが、減量が難しい」
 「合剤や1日1回投与の薬を優先的に使用する」
 「消化器系の一部の薬、鎮痛剤、眠剤、安定剤などはできるだけ、臨時処方とするよう心掛けている」
    日本臨床内科医会医療・介護保険委員会の田中章慈氏の話

 ポリファーマシーを肯定しているのではなく、その回避・解消に向かって医師と患者の相互理解の下に医師は自ら多剤投与を避け、診察のたびに毎回減薬できないかと努力することが大切であるということだ。

 高齢者は複数の診療科や医療機関から投薬されている可能性が高く、薬手帳など患者が有している薬剤情報を把握し、投薬重複や薬剤相互作用などの確認が重要だ。投薬に際し高齢者の代謝機能を勘案して薬剤容量や服薬回数を見直し、脂質代謝改善剤や降圧剤などでは減量や中止を、睡眠導入剤や安定剤、胃粘膜保護剤や抗便秘薬等については投与の必要性を、また抗血小板薬や抗凝固剤では有害事象発現などを慎重に配慮する必要がある。

 残薬は大きな課題だが、残薬が多いのに体調に変化がないなどが判明したときはむしろ減薬のチャンスでもある。ポリファーマシー削減・減薬対策の一環に合剤の利用が挙げられていたが、低薬価薬を服用法でまとめて1剤とすることや複数薬が同一剤形となった合剤は薬剤数がより多くなりポリファーマシーを助長する可能性があることに留意しなければならない。(了)

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