足の悩み、一挙解決

第2回 外反母趾、巻き爪、タコ・ウオノメ…
~足の不調には共通の原因があります~ 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 足専門クリニックを訪れる患者さんの8割は、外反母趾(ぼし)、強剛母趾、足底腱膜(けんまく)炎、巻き爪、角質の肥厚(タコ・ウオノメ)、モートン神経腫の六つのどれかで受診しています。一見、別々の病気に見えますが、これらの病気には共通した原因があります。一言で言うなら、足の構造の崩れです。

種子骨を2個入れれば28個になります

種子骨を2個入れれば28個になります


 ◇もともと故障しやすい場所

 足は実にさまざまな形をした、たくさんの骨が立体パズルのように合わさってできています。全身にはおよそ206個の骨があり、そのうち両足でおよそ56個、約4分の1が集中しています。これらの骨は靱帯(じんたい)でつながれ、周囲を筋肉が取り巻いています。

 足首から先の小さなスペースには、たくさんの骨があって、人間特有の複雑な動きを可能にしているのです。部品の多い機械製品が故障しやすいのと同じで、パーツが多く、複雑な動きをする足はトラブルを起こしやすい場所といえるでしょう。

 健康な足は、これらの骨がアーチ状に積み重なって、立ったときに土踏まずの部分が地面から浮いた状態です。足のアーチは中指ではなく、人さし指の延長線上の甲の部分を頂点にしており、つま先から見ると半月状のアーチ、横から見ると三角状のアーチが形成されています。

 それぞれの骨があるべき場所に収まり、全体がゆるやかなアーチ状に並んでいれば、歩いたり、動いたりするたびに、足全体がたわんで衝撃を吸収し、スムーズに動くための原動力を生み出します。ところが、骨のアライメント(並び)が崩れると、アーチがつぶれ、特定の場所に圧力が集中してしまうため、さまざまなトラブルを起こすのです。

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