一流に学ぶ 人工股関節手術の第一人者―石部基実氏

(第9回)感染対策を徹底=患者のために妥協せず

 ◇アンケート基に改善

 患者が退院する時は切手を貼った封筒を添えてアンケート用紙を渡し、無記名で投函できるようにしている。「トイレが少ない」という書き込みがあれば、トイレを増やすなど、できることはすぐに改善するようにしてきた。たとえ協力病院であろうと、遠慮はしない。

 「『良いと思ったスタッフ』、『もっと向上した方がいいスタッフ』の名前を書いてもらうようにしています。患者さんが不満に思うことがあっても、スタッフ本人が『これは自分のことじゃない』と思ってしまえば、何も改善されませんから」

 今のところ悪い方で名前を書かれたスタッフはおらず、逆に良い方で名前が挙がるスタッフが多いという。

 「アンケートの回収率は6割くらい。患者さんの側も遠慮があって、なかなか言えないのかもしれません。でも、医師の目からは気付かないことがたくさんあると思います。患者さんがどう感じたのかを率直にうかがって、改善していきたいと思っています」

 あらゆる場面で妥協しない姿勢が患者の満足度につながっていく。

(ジャーナリスト・中山あゆみ)


→〔第10回へ進む〕まるで武道の達人=迅速な手術、患者の負担減

←〔第8回へ戻る〕厳選されたスタッフ=JALの接遇に学ぶ

  • 1
  • 2

一流に学ぶ 人工股関節手術の第一人者―石部基実氏