一流の流儀 「追い込みの女王」AYA クロスフィットトレーナー
(第4回)父とのキャッチボール
母の言葉「人の10倍頑張れ」
「子どもの頃にご両親から言われたことで、何か心に残っている言葉はありますか」と聞くと、AYAさんは母のある言葉を今もずっと胸に刻んでいると話した。
中学生時代の期末試験の話だ。10日前から準備して試験に臨んだAYAさんだが、3日前に勉強を始めた同級生がより良い成績を取った。ショックだったのだろう。「お母さん、どうして私の方が先に勉強をしていたのに、彼女よりも悪い成績なのだろう」。不満を漏らしたAYAさんに、母はこう言った。「あなたは人と同じスタートラインに立つために、その人の10倍やって初めて立てるの。だから、いつも人の10倍頑張りなさい。そうすれば、人の上を歩いていられるよ」。その言葉はAYAさんの胸にストンと落ちた。「実際、友人と同じ時間しか勉強をしなかったら、40点しか取れない時がありましたから。それじゃ、赤点ですよね。もしも他人が3やるならば、自分は10やらなければ同じ場所に立てないんだな。そう思って今までずっと生きてきました。妥協はしたくない。ここまで努力してやってきたということを自負しています」と胸を張る。
フィットネスモデルやクロスフィットトレーナーとしての人気の高さは、生まれ持った美しさや身体能力の高さがあることは否定できないだろう。しかし、忘れてはならいのは「人の10倍は努力する」というスピリットだろう。そして、いつも「トレーナーとしての責任感」を忘れず、常に実践していることがAYAさんの人気を不動にしているに違いない。(ジャーナリスト・横井弘海)
→〔第5回へ進む〕体育教師夢見た中学・高校時代=スポーツを職業にするために
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(2018/05/15 11:28)