「医」の最前線
地域医療連携の今
新型コロナウイルス感染症により、日本の医療現場が抱えるさまざまな課題が浮き彫りになった。その一つが、地域の医療機関が役割分担しながら適切な診療を患者に提供するための地域医療連携だ。コロナの重症化リスクがあるとされた糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、自覚症状が表れにくいことから放置されることも多く、病態が進行して合併症を起こしたり、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などを発症したりすることも少なくない。かかりつけ医と病院などが連携して早期発見・早期治療を進めることにより、膨らみ続ける医療費の削減につながることも期待されている。
コロナ下で生活習慣病への関心が高まる中、全国屈指の高い水準となる高齢者医療費の削減に向けて地域医療連携に取り組む福岡県から、糖尿病や脳卒中、がんなどにおける医療連携の現状を紹介する。