「医」の最前線
病や老いとうまく付き合う
緩和ケアと聞くと、末期のがん患者を対象につらい症状を和らげることをイメージする人が多いと思います。しかし、つらさには身体的な痛みだけでなく、精神的・社会的・スピリチュアルな側面もあります。これらが互いに絡み合っているつらさを和らげ、病気とうまく折り合えるように支援するのが緩和ケアです。
早い段階から苦しみを和らげ、予防し、クオリティー・オブ・ライフ(QPL)を改善すると、死亡リスクが低下して生存期間が延びるとの研究結果も示されています。
病や老いとうまく付き合える社会の構築にもつながる緩和ケア。早期からの緩和ケア専業外来クリニックを開業した緩和医療医の大滝秀一氏がさまざまな最新トピックを紹介します。