こちら診察室 見過ごしたくない「#育児あるある」

つらそうな子どもにどう接する?
~コロナで傷ついた心との向き合い方―大人編~ 【第6回】

 ◇自分を責めない

 親として、社会人として「何とかしないと」「もっと何かできるはずだ」と焦り、「うまくできない…」と自分を責めてしまう方もいるかもしれません。本当に大変な中、いくつもの役割を持ち、人一倍頑張っているのですから、心と体の疲れが少しずつ生じてくるのは当然かもしれません。

 伝えたいのは、親である前に、社会人である前に、あなたも大事なかけがえのない一人の人間だということです。これまで、家族や親戚、園や学校、コミュニティーなど、みんなで行ってきた子育てです。マニュアル通りに完璧にできなくても十分です。どうか、自分を責めないでください。あなた自身もケアされるべき存在なのだということを思い出してください。

一人で思い詰めないように

一人で思い詰めないように

 この時間がほっと一息つくきっかけになりますように。困った時は、居住地の精神保健窓口、保健センター、児童相談所、子ども家庭支援センター、クリニックや病院などに相談を! どうか一人だけで抱え込み過ぎないでくださいね。(国立成育医療研究センター・田中恭子)


田中恭子(たなか・きょうこ)
 国立成育医療研究センター 小児内科系専門診療部 こころの診療科 診療部長。
 1996年順天堂大学医学部卒。専門はコンサルテーション・リエゾン、小児心身症、発達心理学。小児科学会専門医、小児心身医学会認定医、子どものこころ専門医、公認心理師、臨床心理士。

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