林隆 医師 (はやしたかし)

医療法人テレサ会 西川医院

山口県宇部市大字西岐波325-1

  • 発達診療部 発達障害研究センター
  • 部長 センター長

小児科 神経内科

専門

発達障害(広汎性発達障害・自閉症・アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害、知的障害)・てんかん・脳性麻痺・小児神経疾患

林隆

林隆医師は山口大学医学部を卒業後、山口大学医学部小児科学教室に入局し臨床小児科一般を研修した。翌年には鳥取大学医学部附属病院脳神経小児科へ国内留学、竹下研三教授に師事し小児神経学の基礎を学んだ。さらに岡山大学小児神経科の大田原俊輔教授が主催する点頭てんかん研究会に、日々の臨床で得た知見をもとに毎年演題応募するなど、臨床てんかん学を自己研鑽し、日本てんかん学会の専門医・指導医の資格を得たという。近年は患者数が急増している発達障害診療に力を入れ、年間約3,000人の外来患者の診療にあたってきた。
「2011年には日本小児精神神経学会で新しく作られた学会認定医の資格も取得しました」(林医師)
小児神経学をバックボーンに、これまでに外来診療した患者数は延べ10万人を超える本邦では数少ない発達小児科の専門医。子どもの診療だけでなく子どもをとりまく人的環境として父母からも信頼され、林医師の深い洞察と温かい言葉に涙する母親も少なくない。また診療に限らず、発達障害に関する講演を年間50件以上こなし、発達障害の啓発につとめている。日本小児神経学会では評議員として学会運営に寄与。特に教育委員として若手医師に指導にあたるなど後輩の育成にも力を注ぎ、社会活動委員として社会的課題と向きあっているという。さらに教育界との関係も深く、教育雑誌「向山型算数教室」に発達障害に関するQ&Aを連載。多くの教師からその独創的かつ実効性の高い考え方が支持されている。全国の教育委員会や教育サークル主催の研修会も多数こなし、発達障害をもつ子どもの教育に携わる者への啓発にもあたっている。
2012年3月のADHD(注意欠陥多動性障害)研究会での講演は、同研究会へカナダより招聘された講師から「これまで北米・ヨーロッパの学会等で聴講したどの講演よりも素晴らしかった」と評された。講演内容がすでに世界の一流レベルに達していることを示すエピソードであろう。
「私の講演は、日々の診療で得た経験を独創的な視点からみて、大胆な推論を展開しています」(林医師)豊富な診療による裏付けが強い説得力となっている。

診療内容

診療は予約制。全て林医師が診療にあたる。事前に問診表を送付し、学校の様子等については学校や幼稚園・保育園で記入してもらうものもある。これは子どもの状況を把握するために必要である。発達障害を狭義の疾病として捉えて、治すことを目標にするのではなく、異なる認知特性による個人の特徴と捉えている。
「社会生活との折り合いのつけたかたを、本人・家族と一緒に考えていくようにしています」(林医師)
いわば発達障害と向き合うのではなく、上手に付き合い、乗りこなし、最終的にはそれを強みとして利用できるような指導や支援を目指しているという。発達障害を医学的及び社会的側面の2つの側面から評価。医学的評価として、発達障害を特徴づける徴候について、問診(一部チェックリストを利用)を中心に確認し、必要に応じて脳波やCTなどの検査することによって行う。社会的評価としては、問診で家庭の様子を確認し、学校や幼稚園・保育園からの情報を加味して、生活上の困難感を確認することによって行う。また、専任の作業療法士と言語療法士(2013年4月からの予定)が子どものトレーニングにあたる。従来の機能訓練に対する考え方とは異なり、障害を治すための訓練ではない。本人は自分の特徴を前向きに受けとめることを、家族は子どもの特性とうまく付き合える方法を模索することを目指したトレーニングである。
同センターでは、特に親・保護者支援に力を入れ、子ども達にとって最も頼りになる環境である両親の支援とそれによる環境としての機能強化を目指している。
「保護者に対して障害の概念よりも、子ども達のもつ特徴と対処法とをセットにして、丁寧に解説しています」(林医師)
同センターのモットーは、これまでの実践の肯定的評価とその結果である現在の状況を肯定的に捉えること。親・保護者がこれまで行なってきた育児実践について、理論的根拠をもって正当性を担保することにより、親・保護者が育児に自信がもてることを診療目標としている。薬物療法としては、てんかん診療は薬物療法が中心。
「日本てんかん学会の専門医・指導医として、学会活動を行いながら、豊富な臨床経験に海外文献や学会で報告される新しい知見を取り入れ治療計画をたてています」(林医師)
新規抗けいれん剤と古典的抗けいれん剤を組み合わせて、有効で副作用の無い処方を個人の特性に配慮しながら作成するオーダーメイドの治療を目指しているという。
一方、発達障害臨床でも薬物療法を行うが、社会心理学的アプローチを補強する補助的な治療と考えている。ADHDに対する治療薬として本邦ではコンサータ(Rマーク)とストラテラ(Rマーク)が使用可能だが、症状の詳細な分析と機能障害の検討により、QOL(生活の質)の向上を目指すべく薬剤を選択した上で、社会心理学的アプローチと組み合わせる包括的薬物療法を行なっている。

医師プロフィール

1983年3月 山口大学医学部 卒業
1983年4月 山口大学医学部附属病院小児科
1984年4月 鳥取大学医学部附属病院脳神経小児科
1993年4月 山口大学医学部小児科助手
1994年8月 山口大学医学部附属病院周産母子センター講師
1996年4月 山口大学医学部小児科助教授
1996年10月 山口大学教育学部非常勤講師(障害児教育)を併任
1998年2月 シドニー大学発達障害研究センターへ短期留学
2001年4月 山口県立大学看護学部教授、山口県立大学大学院健康福祉学研究科教授を併任
2007年4月 公立大学法人山口県立大学看護栄養学部教授(学部改組による)(2012年9月まで)
2008年7月 国立精神・神経センター客員研究員(現在に至る)
2010年4月 公立大学法人山口県立大学大学院健康福祉学研究科健康福祉学専攻長(2012年3月まで)
2012年10月 医療法人テレサ会西川医院 発達診療部・発達障害研究センター準備室長
2012年11月 医療法人テレサ会西川医院 発達診療部・発達障害研究センター長

「発達障害」を専門とする医師