淺村尚生 医師 (あさむらひさお)

慶應義塾大学病院

東京都新宿区信濃町35

  • 呼吸器外科
  • 教授 診療部長

外科 呼吸器外科 がん

専門

肺がんの外科治療、縦隔腫瘍の外科治療、内視鏡外科治療

淺村尚生

国立がん研究センター中央病院呼吸器外科に在席当時は、年間700件程の肺がん手術をこなし、症例数は国内でトップ、世界的に見ても有数の成績を誇る。淺村医師は4名で組まれた肺がん手術の医師チームの中で中心的な役割を果たしていた。肺がん治療の最前線で、病理、腫瘍内科、放射線治療の各専門医の協力のもと、集学的治療ができる体制を整えた。診断の的確さ、手術の安全性・根治性・低侵襲性など、技術力の高さに定評がある。世界肺癌学会の理事も務めており、肺がん治療においてオピニオンリーダー的存在である。
2014年10月より「慶應義塾大学医学部」に異動され「外科学(呼吸器)教授」となる。

診療内容

国立がん研究センター中央病院呼吸器外科は、呼吸器の肺がんの外科については国内で一番歴史がある病院。国内で最多の手術実績を誇り、非常に安全で精度の高い技術を提供している。
同科の大きな特徴としては「肺がん」という一つのグループで治療を行っていること。肺がんのグループの中には、外科医、放射線科医、抗がん剤専門医など、がん治療における、すべての専門家がそろっているため、それぞれの治療を併行して横断的に治療が受けられる環境が整っている。 これはがんの治療にはとても重要なポイント。また、母体が大きいため、キャパシティも余力もあり、待ち時間も比較的少ない。

低侵襲開胸手術淺村医師が率いるチームが行う、肺葉切除(肺がんの切除術式の大半を占める手術)は、約8~10cmの低侵襲の開胸手術。術者はヘッドライトを装着し、胸腔鏡補助下に主として直視下で手術を行うのが特徴。つまり、術法は小さく開く開胸手術で、胸腔鏡を補助的に使用する。この開胸法は、術後の疼痛も少なく、回復も速やか、なによりも確実で安全な方法であるという。入院期間も術後4~5日(入院期間の合計は6~7日)で済むという。肺がんの根治性と安全性、短時間手術による、患者に負担の少ない治療に重点を置いているため、胸腔鏡だけに頼る手術は行っていない。一方、より進行した肺がんに対する拡大切除も積極的に行っている。また、術前・術後化学療法(+放射線療法)などの集学的治療にも積極的に取り組んで いる。
2009年~2011年の5年間で、術後30日以内の死亡率は2,764例中3例のみ(0.1%)、世界的にみてもトップレベルの成績を誇る。淺村医師は、この手術のために、胸を開ける道具「低侵襲開胸手術用の小型開胸器」を考案し、開発した。

「ラジオ波による肺への焼灼術」については、高度先進医療に指定されており、保険診療ではないため、適用のある患者で自費でもよいという場合のみ行っている。小さい肺がんの場合は、手術で取るという方法と放射線で焼く方法がある。放射線の中にも普通の放射線、ピンポイント、東病院の陽子線、稲毛の重粒子線、クライオといって冷凍凝固する方法もある。保険診療は普通の放射線治療のみ。入念な診断で患者の病状にあった治療法を実践し、治療法の選択は患者の状態を見極めながら判断する。

2014年10月より慶應義塾大学病院の呼吸器外科に着任し診療部長となる。同科では、縦隔およびその他の胸部臓器の疾患を扱い、年間300症例以上の手術を行っている。

医師プロフィール

1957年 生まれ
1983年 慶應義塾大学医学部 卒業、外科学教室入局
1986年 国立がんセンターレジデント、がん専門修練医
1992年 国立がんセンター中央病院、呼吸器外科医員
1997年 Mayo Clinic,Memorial Sloan-Kettering Cancer Center留学
1999年 国立がんセンター中央病院 呼吸器外科医長
2009年 独立行政法人 国立がん研究センター中央病院 呼吸器外科科長
2010年4月 同院 副院長
2014年10月 慶應義塾大学医学部 外科学(呼吸器)教授