先天性喘鳴〔せんてんせいぜんめい〕 家庭の医学

[原因]
 空気の通り道の喉頭、気管の軟骨が脆弱(もろくて弱い)なために、空気を吸うときに喉頭、気管の内腔(ないくう)がつぶれて狭くなり、ゼーゼーします(喉頭軟化症、気管軟化症)。
 ほかの原因としては、喉頭や気管周囲の腫瘍や血管輪(大動脈が途中で2つに分かれてリングを形成する重複大動脈弓など、血管が気管を取り囲む病気)があります。


[症状]
 生後1~2カ月以内に、息を吸うときにゼーゼーいう音が聞こえる(吸気時喘鳴)ようになります。喘鳴は息を吸うときに強く、また興奮したり泣いたりすると増強し、腹ばいで改善します。

[診断]
 検査はファイバースコープで、呼吸時の喉頭を観察します。また、MRI(磁気共鳴画像法)、CT(コンピュータ断層撮影)検査、頸(けい)部X線検査で原因を鑑別していきます。

[治療]
 原因となっている病気をあきらかにして、治療します。喉頭軟化症、気管軟化症では生後半年をすぎるとしだいに改善します。腫瘍や血管輪では手術が必要なことがあります。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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