進行性感音難聴〔しんこうせいかんおんなんちょう〕 家庭の医学

 高齢でもないのにすこしずつ難聴が進行する場合で、多くは原因不明です。最近は遺伝子の異常がいくつか判明しています。40歳未満で発症し、両側性の進行性感音難聴で高度難聴以上であり、原因の遺伝子が判明している場合は若年発症型両側性感音難聴と診断され、指定難病(医療費助成制度)の対象です。
 徐々に進行する場合には薬物療法は効果がとぼしく、難聴がある場合は補聴器を使います。時に急速に進行することがあり、副腎皮質ステロイド薬が有効です。こまかな進行は自覚できない場合もあるので、1~3カ月に1度はかかりつけの病院で聴力検査をして経過をみてもらうことが重要です。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔耳鼻咽喉科・頭頸部外科〕 山岨 達也
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