尿の検査 家庭の医学

 尿検査は泌尿器科のもっとも基本的な検査です。検査のための尿は、最初の数mL(初尿)は捨てて、その後の尿(中間尿)を検査するのが基本です。特に女性では、外陰部からの混入を防ぐためにも、中間尿を検査することが望ましいです。逆に、尿道炎を疑う場合は初尿(尿道の分泌物を含む)を検査します。
 肉眼所見(色や混濁)をみてから、試験紙で糖、たんぱく、pH(水素イオン濃度)、潜血などを調べます。ついで、尿を遠心分離器にかけて細胞成分を沈殿させ、それを顕微鏡で観察します。これを尿沈渣(ちんさ)検査と呼びます。赤血球、白血球、尿路上皮、結晶、円柱(たんぱく質のかたまり)、細菌などを観察します。強拡大(400倍)の視野で、細胞成分は数個以内、結晶はわずかにみとめ、円柱や細菌はないのが正常です。

【参照】検査の知識:尿の検査

(執筆・監修:医療法人財団みさき会 たむら記念病院 院長 鈴木 洋通)
(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔泌尿器外科学〕 久米 春喜)
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