鳥インフルエンザA(H5N1)および鳥インフルエンザA(H7N9)〔とりいんふるえんざA(H5N1)およびとりいんふるえんざA(H7N9)〕

 鳥インフルエンザはカモ、ガチョウ、ニワトリなど、鳥の間で流行するインフルエンザです。人への感染はまれですが、高濃度のウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)を吸入すると人でも感染することがあるため問題となっています。時にブタなどにも感染し、その腸内で増殖・変異したウイルスが人に感染することもあると考えられています。
 鳥インフルエンザは、ウイルスが人に伝播しやすいタイプに変異すると大流行するおそれがあるので、警戒が必要です。
 1997年から98年にかけて、香港で少なくとも18人が鳥インフルエンザA(H5N1)に感染し、うち6人が死亡しました。ベトナムとタイでも2004年2月までに合わせて十数人が亡くなっています。このウイルスは2003年から04年にかけてもアジア諸国で鳥の間に大流行し、日本の山口県でも大量感染が起こりました。その後も、鳥に対して強い病原性をもつ高病原性鳥インフルエンザとして、国内外で発生がみられています。また、2013年からは中国を中心に、鳥インフルエンザA(H7N9)が発生し、人への感染が報告されています。いずれも人から人の感染はあまりありませんが、一部ではその可能性が示唆されています。
 100年近く前に世界で大流行したスペインかぜ(A/H1N1)は6億人が罹患(りかん)し、3000万人の死者を出しました。このとき日本でも約40万人が亡くなったとされています。
 医学が進歩し、治療薬もある現在では、このような大惨事にはならないはずですが、動物間のインフルエンザの動向監視が今後ますます重要になってきています。
 潜伏期は通常のインフルエンザと同様で2~8日です。症状も急な高熱とせき、全身症状などインフルエンザと同様ですが、肺炎を合併し重症化することが多く、死亡率も高い病気です。
 マスクの着用と手洗いが有効です。また現在、日本ではオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ファビピラビル、アマンタジンの6種類の抗インフルエンザ薬があり、通常はノイラミニダーゼ阻害薬のオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビルが使用されていますが、原理的には(薬の作用のメカニズムから考えると)いずれの薬も有効です。ただしアマンタジンは耐性となりやすく、ウイルスがちょっと変異しただけで効かなくなることがあります。
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