性感染症の症状 家庭の医学

 症状は疾患によりさまざまで、また同じ疾患でも、性別によって症状が異なることがあります。
 たとえば、男性の尿道にクラミジアや淋菌が感染すると、尿道からうみが出たり、排尿時痛が生じたりします。症状が比較的わかりやすいです。しかし女性の場合は、腟(ちつ)からの分泌物(おりもの)がすこし多いとか、そう痒感(そうようかん)が出るだけです。症状が比較的軽いために、受診の機会を失いがちです。
 さらに、性感染症には自覚症状が軽い、または症状がまったくないものもあります。そのため、自覚されないまま進行する危険もあります。無症状でも進行することで不妊症や流産、早産、がんなどの原因となることがあります。性感染症にかかった可能性がある場合は、症状がなくても、検査を受けることをすすめます。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学講座 講師 亀井 潤)
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