性感染症の種類

 性行為(オーラルセックスなどの広い範囲の性行為・性的接触を含む)によって媒介される微生物の感染を性感染症(sexually transmitted infection:STI)と呼びます。
 かつては、淋病(りんびょう)、梅毒(ばいどく)、軟性下疳(なんせいげかん)、鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(にくげしゅ)の4種類だけが性行為で感染すると考えられており、これらの4疾患を性病(sexually transmitted disease:STD)と呼んでいました。しかし、性的接触で感染する感染症は、ほかにも多く存在することや、エイズ(AIDS、ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症)や子宮頸がん(ヒト乳頭腫ウイルス感染)のように、症状がなくても性的接触を介した感染が原因で発症する疾患があきらかとなり、もっと広い意味で使われるようになっています。性感染症を起こす微生物は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫・原虫など多様で、その種類によって症状や治療法は異なります。
 公衆衛生や抗菌薬治療の進歩により、軟性下疳や鼠径リンパ肉芽腫症は、日本では少なくなってきました。しかし、梅毒は以前にくらべれば大幅に減少したものの、2003年ごろからは男女ともに増加傾向が続いています。特に20歳代男女で早期梅毒が増加していて、今後大きな問題となるかもしれません。なお、2016年は新規患者数が4500人を超え、2015年の約1.8倍、2000年以降もっとも報告数が少なかった2003年と比べると約9倍にふえました(国立感染症研究所調べ)。また、クラミジア感染症と淋菌感染症も、2002年をピークに減り続けていましたが、近年横ばいからふたたび増加する傾向があり注意が必要です。

●年別梅毒総報告数(件)の推移(2001~2016年)
2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年
585575509536543637718831
2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年
69162182812281275166126604518
(国立感染症研究所ホームページより引用改変)
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