帝王切開手術

 腹部と子宮壁を切開して胎児を娩出(べんしゅつ)させる方法です。母体か胎児のどちらかに異常があるために、産道からの自然分娩(ぶんべん)が困難な場合か、急いで分娩させなければならない場合におこなわれます。次のような場合が適応となります。
 1.胎児が自然の産道を通過できないとき
 狭骨盤や骨盤の奇形などによる児頭骨盤不均衡、子宮筋腫や卵巣腫瘍が産道を圧迫しているとき、前置胎盤(ぜんちたいばん)など。
 2.胎児の異常、骨盤位、巨大児、多胎など
 3.微弱陣痛、臍帯(さいたい)の異常、胎盤早期剥離(はくり)、破水の異常(前・早期破水)、感染、胎児機能不全など
 4.前回帝王切開や子宮筋腫の手術後などで子宮破裂が疑われるとき
などです。
 手術に伴う麻酔は腰部脊椎麻酔か硬膜外麻酔が一般的です。手術に要する時間は30分~1時間くらいがふつうですが、以前開腹手術をしたことのある産婦は癒着(ゆちゃく)のあることがあり、それ以上の時間がかかります。手術は、子宮下部を横に切って胎児を出す方法が多く用いられます。

■問題点
 帝王切開だと安全で楽にすむと考えられがちですが、麻酔も含め、自然分娩より出血量も多くなり、血栓症を起こす危険性も高くなるなど、けっして安全というわけではありません。手術後何日も傷が痛みますし、自然分娩より入院が長くなります。次の妊娠までの期間を長くとらなければなりません。さらに、おなかのなかに癒着を起こすことがあり、なにより次回の分娩のとき子宮破裂を起こす可能性があるため、ふたたび帝王切開にしなくてはならないなどの問題があります。けっして帝王切開を安易に考えてはいけません。
 最初に帝王切開をして、次のお産のときに違う病院にかかる場合には、前回帝王切開をおこなった先生にくわしい経過を書いてもらうとよいでしょう。
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