胎児機能不全(NRFS)〔たいじきのうふぜん〕

 以前、胎児仮死(胎児ジストレス)と呼ばれていたもので、お産の途中でさまざまな原因によって胎児が低酸素状態になることをいいます。原因としては母体の妊娠高血圧症候群胎盤早期剥離(はくり)、臍帯(さいたい)の圧迫などです。酸素欠乏を放置すると生まれた新生児が仮死状態となり、脳障害が生じる危険があります。胎児機能不全は、分娩(ぶんべん)監視装置で調べます。羊水混濁などの症状があらわれることもあります。
 分娩監視装置は、胎児心拍数および陣痛計から構成されています。胎児の心拍数基線、基線細変動、頻脈、徐脈、一過性頻脈や一過性徐脈などで胎児の状態を判断します。基線細変動の減少・消失やくり返す一過性徐脈、高度徐脈は胎児機能不全と診断されます。
 胎児機能不全と診断されたら、お産がどのくらい進んでいるかによって吸引、鉗子(かんし)分娩あるいは帝王切開をおこない、なるべく早く赤ちゃんを娩出(べんしゅつ)させます。 

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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