陣痛の異常〔じんつうのいじょう〕 家庭の医学

 子宮の収縮の弱いものを微弱陣痛(じんつう)、逆に強すぎるものを過強陣痛といいます。微弱陣痛の場合に、陣痛促進剤(子宮を収縮させる薬剤)を低濃度からゆっくりと静脈の中に点滴で注入する方法がとられます。逆に陣痛間欠期がなくなるほど陣痛が反復したり、急に陣痛が強くなって反復すると過強陣痛になることがあります。過強陣痛は破水直後、麻酔分娩(ぶんべん)直後や陣痛促進剤の使用中などにも起こることがありますので、注意が必要です。胎児機能不全(NRFS)が生じやすく、お産が急速に進み、子宮破裂が起こることもあります。必ず分娩監視装置を用いて陣痛と心拍数をみながらおこないます。
 遷延(せんえん)分娩とは、分娩第1期あるいは第2期に、平均以上に時間が経過しているのに分娩が進行しないものをいい、初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上の場合をいいます。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
医師を探す