こども家庭庁は今年度、夏休みに開所している放課後児童クラブ(学童保育)について初の調査を実施する。「サマー学童」と呼ばれ、学校以外の預け先を探さなくてはならない夏休みに利用を希望する保護者は多いが、これまで実態を把握していなかった。こうした施設を増やし、学童保育の待機児童解消につなげたい考えだ。
 「夏休みだけ子どもを預かってほしい」という保護者の希望に対応するため、各市町村は夏休みだけ学童施設の受け入れスペースを拡充したり、期間限定の施設を開所したりと、さまざまな方法でサマー学童を実施している。
 ただ、学童保育への国の補助金は「年間200日以上」開所していることが支給の条件となっている。期間限定など開所日数が少ないところは対象を外れ、市町村の補助金で運営しているケースが多いという。
 調査は、全市町村を対象に運営状況などを尋ねる。保護者に対して利用希望のアンケートも実施。運営事業者や先進的な取り組みをしている自治体へのヒアリングも行う。
 同庁は2025年度から、こうした開所日数が少なくても長期休みに集中的に子どもを預かる施設にも補助金を支給する方向で検討しており、調査結果を踏まえ、具体的な要件を詰める方針だ。
 同庁によると、23年5月1日時点の学童保育の待機児童は1万6276人(確定値)。ただ、10月1日時点で見ると8487人(速報値)で、2学期に入ると大幅に少なくなる。
 同庁は、夏休みの預け先を確保するため、それ以外の期間は通わないのに学童保育に申し込む保護者もいると推察。サマー学童を増やせば、それ以外の期間でも利用枠が空き、待機児童解消につながる可能性があるとみている。 (C)時事通信社