米・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのAnne-Julie Tessier氏らは、同国の大規模前向きコホート研究Nurses' Health Study(NHS)およびHealth Professionals Follow-Up Study(HPFS)のデータを用い、オリーブ油の摂取と認知症関連死亡リスクとの関連を検討。その結果、オリーブ油をほとんどまたは全く摂取しない群と比べ、1日当たり7g超を摂取する群では食事の質にかかわらず認知症関連死亡リスクが28%低かったとJAMA Netw Open2024; 7: e2410021)に発表した(関連記事「ニンニク粉末とオリーブ油で脂質改善」)。

地中海食スコアなど食事の質を問わずリスク減

 解析対象は、NHSおよびHPFS参加者のうち、ベースライン(1990年)で心血管疾患またはがんの既往歴がなかった9万2,383例(平均年齢56.4歳、女性65.6%)。28年間(218万3,095人・年)の追跡期間中に発生した認知症関連死は4,751例だった。

 多変量Cox比例ハザード回帰モデルによる解析の結果、オリーブ油摂取量と認知症関連死亡リスクとは逆相関しており、オリーブ油非摂取または1カ月当たり1回未満摂取群(対照群)に対し、7g/日超摂取群(最高群)ではリスクが28%低かった〔プールした調整後ハザード比(aHR)0.72、95%CI 0.64~0.81、傾向性のP<0.001〕。さらにアポリポ蛋白Eの対立遺伝子ε4(ApoEε4)ゲノタイプで調整後も結果は同様だった(低摂取量群に対する高摂取量群におけるプールしたaHR 0.66、95%CI 0.54~0.81、傾向性のP<0.001)。

 地中海食スコアおよびAlternative Healthy Eating Index(AHEI)スコアに基づく食事の質を加味した解析では、オリーブ油の高摂取量群における認知症関連死亡リスクは、これらのスコアに関係なくオリーブ油低摂取量群(対照群)と比べて有意に低かった〔地中海食スコアで28~34%低下()、AHEIスコアで27~38%低下、P<0.05〕。

図. オリーブ油摂取量および地中海食スコアと認知症関連死亡リスクとの関連

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JAMA Netw Open 2024; 7: e2410021

マヨネーズをオリーブ油に置換で14%リスク減

 他の脂質5g/日を同量のオリーブ油に置き換えた場合の認知症関連死亡リスクは、マヨネーズで14%(95%CI 7~20%)、マーガリンで8%(同4~12%)、それぞれ低下した。その他の植物油およびバターでは、オリーブ油への置き換えによる有意なリスク低下は認められなかった。

 以上の結果から、Tessier氏らは「オリーブ油を多く摂取する米国成人は、食事の質に関係なく認知症関連死亡リスクが低かった。この結果は、オリーブ油などの植物油の使用を推奨する現行の食事指針が、心血管疾患の予防だけでなく認知症の予防にも当てはまることを示すものだ」と結論している。

 なお、米国では2020年に米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸を生成する部分水素添加油脂の食品への使用を禁止したが、研究当時(1990~2018年)のマーガリンおよびマヨネーズはトランス脂肪酸の含有量がかなり多かった。同氏らは「今後の研究で、トランス脂肪酸を含まないマーガリンの摂取について検討することは有益であろう」と付言している。

(太田敦子)