足の悩み、一挙解決

最終回 爪トラブルの原因は「隠れ扁平足」
~適合したインソールで再発防止~ 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 前回の記事で、巻き爪、爪甲肥厚(そうこうひこう)、重複爪(じゅうふくそう)の患者Aさんの治療プロセスをご紹介しました。

巻き爪、爪甲肥厚、重複爪の治療を終えた患者さんの足指。しかし、このまま放置すると、また同じような爪が生えてくる可能性がある

 痛みから解放されたAさんは、大変喜んでくれましたが、このまま放置すると、また同じような爪が生えてくる可能性があります。

 爪のトラブルに次々と見舞われてしまった根本的な原因を考えなくてはいけません。こうなる原因の多くは、足の構造にあるはずです。

 爪が分厚くなったきっかけは外傷でした。通常なら爪が剥がれた後は普通の爪が生えてくるはずです。

 ◇あるように見えた「土踏まず」

 改めて足を診察してみると、立った状態で荷重がかかったときに、アーチがつぶれる典型的な「隠れ扁平足」だと分かりました。

 座って足の裏を見ると、「土踏まず」がきちんとあるように見えるので、本人も自分が扁平足だとは思っていなかったそうです。

 さらに、親指が浮いた状態になっており、歩くと親指の付け根が痛くなる制限母趾(ぼし)の状態でした。また、親指が使えないためか、隣の人差し指に力が入り、左右ともに変形しています。

 巻き爪は、親指への不均一な荷重負荷のせいでした。親指が地面に対して垂直に踏めておらず、やや斜めの状態で着地しているために、爪が真っすぐに伸びてこないのです。

 ◇また同じような爪が生える

 せっかく治療しても、また同じような爪が生えてきたのでは、その場しのぎの治療になってしまいます。

 よくよく聞くと、親指を曲げて踏ん張るヨガのポーズのときには、痛みを感じていたそうです。

 なかなか合う靴がなくて、市販のインソールをいろいろ使ってはみたものの、ぴったり合うものが見つからなかったというので、治療用のインソールを作製することになりました。

専門の義肢装具士が治療用インソールを作る

 インソールで足のアーチを支えれば、痛かった親指で真っすぐに床を踏めるようになるため、健康な爪が生えてくるはずです。

 ◇インソール専門の義肢装具士

 足のクリニックでは、必要に応じて専門の義肢装具士が治療用インソール(足底装具)を作製します。

 まず、柔らかい特殊な素材で足型を取ります。立って体重がかかった状態だと、足のアーチがつぶれてしまっているので、座った状態でその人の理想的な足のアーチの状態に整え、特殊素材に足を押し込み、型を取ります。

 特殊素材は見た目、フラワーアレンジメントの茎を刺すオアシス(花を長持ちさせるための給水スポンジ)のような感じで、足裏の立体曲面通りにへこんでいきます。

 このとき、義肢装具士が注意深く足の形を整えながら、足を沈めていきます。そして、この後、ミイラのように足に石こう布を巻きつけて固めて型を取ります。

 取った型に石こうを流し込んで、患者さん専用の石こう型を作ります。





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