インタビュー

この症状はいったい何?
患者の不安、疑問にこたえる医師

 「10年間にわたって2、3カ月に一度、熱が出る」
 「8年間、口の中がぬるぬるしていて気持ちが悪い」
 「おなかの痛みがなかなか治らない」
 さまざまな症状を抱えた患者が医療機関を受診しても原因が分からず、一層不安になることがある。医療法人社団永生会南多摩病院(東京都八王子市)総合内科・膠原病内科の國松淳和医師は、そうした患者たちを多く診てきた。國松氏は「一つ一つに壮大なドラマがあり、個別性が強い。共通項は、患者が長い間苦しんでいるのに、診断で病名が見つけられない、ということだ」と話す。

患者は治療法が知りたい

 ◇「不明熱」で奮闘

 國松氏は国立国際医療研究センター病院に勤務していた時代、「不明熱専門外来」を担当し、意欲的に取り組んだ。不明熱は正式な病名ではない。しかし、原因が分からず悩んだり、他の医療機関から紹介されたりした患者が次々に訪れた。

 「全身性エリテマトーデス」や「サルコイドーシス」などを診る専門外来はあったが、不明熱についてはなかった。「この専門外来には、医療者としての興味を引き付けるものがあったし、先見性もあった」と振り返る。 

 ◇知りたいのは治療法

 関東在住の患者は、20年ほど前から毎日のように発熱していた。ただ、かかりつけ医は病気の原因がよく分からない。そこで、かかりつけ医に治療の方法などを伝えた。また、別の関東在住の患者は3~4年前から腰や股の関節、かかとなどが痛いと悩んでいた。

 「病名が分からなくても、治療法が分かればよいのですよね」
 「ええ、その通りです」

國松淳和医師

 これは國松氏と患者とのやりとりの1例だ。患者は症状を少しでも和らげたいと思い受診するのに、医師側には病名を見つけることにこだわり過ぎる面がある。國松氏は「患者と医師の姿勢がすれ違うこともある」と語る。

 運動すると、足の裏が痛くなって熱が出る。脳外科医、整形外科、総合内科医。例えば、外科医は手術で対応できない症例については消極的だ。こういう場合に「科の枠を超えて、患者のために治療を考えることができる医師も、多くいる」と言う。

 先入観は危険だ。めまいでフラフラしたり、グラグラしたりする。しかし、医師がめまいだと判断し、結論付けてよいのだろうか。國松氏は「実はめまいではなく、立ちくらみで、胃腸から出血し、貧血で立ちくらみが起きたのかもしれない。たとえ、患者がめまいと訴えたとしても、それを額面通りに受けとらないことも必要だ」と指摘する。

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