サルコイドーシス〔さるこいどーしす〕 家庭の医学

 全身に肉芽腫(にくげしゅ)という免疫反応によって起こる特徴的な病変が出現する病気で、原因は解明されていません。病変は、目、肺、心臓、肝臓、腎臓、消化管、リンパ節、骨、皮膚、中枢神経、筋肉などあらゆる組織に出現します。

[症状][診断]
 自覚症状がなく、検診などにより偶然に発見されることがほとんどです。目のぶどう膜炎、肺でのびまん性陰影や肺門リンパ節の腫大、心臓の不整脈などが臨床上問題となります。心臓サルコイドーシスは重篤な不整脈を生じる可能性もあり注意が必要です。
 診断は、肺や目、皮膚に上記のような異常所見がみられ、ツベルクリン反応が陰性化、γ(ガンマ)・グロブリン上昇、血清アンジオテンシン変換酵素高値、可溶性インターロイキン2受容体高値などがあれば、ほぼサルコイドーシスと考えられます。皮膚や肺、リンパ節から組織を採取して特徴的な肉芽腫が観察されれば診断は確定します。

[治療]
 約半数の人が自然に治ります。しかし、目、肺、心臓、腎臓、神経などに障害がみられれば副腎皮質ステロイド薬あるいは免疫抑制薬で治療します。なお、一部の重症度が高い、治療が必要な患者さんは国が指定する難病医療費助成制度対象疾病(指定難病)に該当します。心臓サルコイドーシスがある場合は不整脈の治療を要することもあります。重篤な場合はペースメーカーを使用することもあります。

【参照】目の病気:サルコイドーシス

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 助教〔呼吸器内科学〕 加藤 元康)
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