治療・予防

安静時に起きやすい冠攣縮性狭心症 
突然死の危険も

 心臓を取り巻く冠動脈という血管が何らかの原因で狭くなり、酸素や栄養を運ぶ血液が一時的にうまく流れなくなる狭心症。体を動かしている時に発作が起こる労作性狭心症は知られているが、就寝中や安静時に起きることが多いもう一つの狭心症「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」はあまり認知されていない。突然死の危険もあるこの病気について、多摩北部医療センター(東京都東村山市)循環器内科の村崎理史部長に聞いた。

冠攣縮性狭心症は睡眠時や安静時に多い

 ▽発作は安静時、夜間に

 冠攣縮性狭心症の原因は分かっていないが、労作性狭心症のように血の塊(血栓)や悪玉コレステロールなどの塊(プラーク)が冠動脈を一時的にふさぐのではなく、冠動脈の一部がけいれんして血管が狭くなり発作が起こることが特徴の一つだ。

 発作時の症状は主に動悸(どうき)や息切れ、胸の痛みや圧迫感だが、首、肩、腕の痛みを訴える人も。多くは安静時で、夜間から早朝に発生する。村崎部長が診療する患者では、50~60代の男性で喫煙習慣のある人に多いものの、最近は高血圧治療などで血管が実年齢より若く保たれているせいか、70~80代での発症もあるという。

 狭心症全体の約4割が冠攣縮性狭心症ともいわれ、放置すると突然死の危険もある。しかし、発作は毎日定期的に起こるわけではないため、24時間計測できる心電計を装着しても異常が表れることは極めてまれだ。「自覚症状がある人には、カテーテルと呼ばれる細く軟らかい医療用チューブを血管内に挿入して心臓の状態を調べる心臓カテーテル検査で診断します」と村崎部長。

 ▽発作なくても治療継続

 治療は、冠動脈を広げる硝酸薬やカルシウム拮抗(きっこう)薬という飲み薬で発作を予防する。発作時に備え、ニトログリセリンなどを携行する患者もいる。ただ、この病気の特徴の一つとして、「病勢(症状の波)」があるという。

 きちんと服薬を続けていても発作が起こる時もあれば、服薬をやめてしまっても発作が起きない時もあるのだ。それでも、村崎部長は「現時点ではこの病気は完治が難しいため、発作のない状態が長く続いたとしても、生涯病気と付き合うつもりで治療を続けてほしい」と強調する。気になる症状がある場合は、早めに循環器内科を受診することをお勧めする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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