【連載COPD③】ぜんそくとCOPD併発=悪化繰り返すACOS
たばこが大きな原因とされ、息切れなどを引き起こす慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)は喫煙者だけの病気ではない。ぜんそく患者の中に、COPDを併発している人が相当数いることが分かり、ぜんそくCOPDオーバーラップ症候群(ACOS=エイコス)として、最近注目されている。
日本医科大学呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)の木田厚瑞所長は「喫煙の有無にかかわらず、階段の上り下りなどの際に異変を感じたら呼吸器の専門医を訪ねてください」と呼び掛ける。
◇COPDより重症に
木田所長は「コントロール可能とされるぜんそくでの死亡は、高齢女性に多いことが疑問視されていました」として、ACOSならば、この疑問は説明できるという。
ACOSは、COPDよりも頻繁に悪化を繰り返し、入院・救急受診率が高く、生活に与える影響も大きい。50歳以上のCOPD患者の約半数がACOSだという海外の報告もある。
木田所長は「子どものころぜんそくだった人、家族にぜんそく患者がいる人、育ち盛りの時に低栄養で痩せていた人、風邪を引きやすかった人などは要注意です。自分がたばこを吸わなくても受動喫煙や大気汚染でACOS、COPDになりやすい状態です」と警鐘を鳴らす。
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(2017/01/30 13:14)