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コロナ、秋・冬に感染者増加か 
インフル流行との重なり懸念

新型コロナ対策でロックダウンされたイタリア・ミラノ中心部=2020年03月23日【EPA=時事】

新型コロナ対策でロックダウンされたイタリア・ミラノ中心部=2020年03月23日【EPA=時事】

 一方で、「今回の流行では、重症者が少ないという意見もあるが、ここまで新型コロナ流行が広がると、若い人から高齢者への感染拡大は避けられない。そうなれば中等症や重症者も増えてくるので、厳しい状況だ」と危惧する。

 ◇手ごわいウイルス

 菅谷医師によれば、新型コロナは世界の専門家の予想に反して真夏も流行が続き、一年中流行する手ごわいウイルスだということが明らかになった。実際、日本と同様、再び経済活動を活発化させた米国南部諸州や欧州諸国でも、感染者が再び増加している。

インフルエンザの予防接種を受ける小学生=千葉県松戸市、2018年12月26日【時事】

インフルエンザの予防接種を受ける小学生=千葉県松戸市、2018年12月26日【時事】

 この点について菅谷医師は「ロックダウン(都市封鎖)以外の、いわゆるソーシャルディスタンスを取るとかマスクの着用や手指衛生の徹底などの対策だけでは流行を止めることはできないことも明らかとなった、と感じている」と話す。その上で「感染を抑えるには再度の緊急事態宣言を出して外出自粛を徹底するまでしないと、いつまでも流行は続き、患者増加は止まらないだろう」と言う。

 ◇インフル流行を危惧

 秋以降には、新型コロナの症状が似たインフルエンザの流行も危惧されている。菅谷医師は「政府、地方自治体、医療部門が議論して、秋から冬の診療と感染防御体制を整える必要がある。インフルエンザ新型コロナは影響し合ってインフルエンザの流行はさほど大きくならないという考えもあるが、同時流行という事態にも備えるべきだと思う」と話している。(喜多壮太郎)

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