夏のお弁当、食中毒に注意
~細菌を付けない・増やさない・やっつける~
◇お薦めメニュー
実際に、食中毒になりにくいお弁当を作ってもらった。
・タンドリーチキン
・ターメリックライス
・焼きパプリカのカラフルマリネ
・塩卵
・冷凍枝豆
・ミニトマト
肉とご飯に使われているスパイスのターメリックは消化促進、カレー粉は食欲増進作用があり、暑い夏にお疲れ気味の胃腸でも食べやすい。
パプリカは焼くことで水分を飛ばし、酢が主成分のマリネ液に漬けて殺菌効果を高める。
塩卵は固ゆでにし、4%の塩水で味付け。塩による浸透圧で水分が抜ける上、防腐効果も期待できる。
冷凍枝豆は保冷の役割を発揮。詰める際に霜が混ざらないように注意する。
ミニトマトのヘタは洗っても菌が残りやすいため、外してから洗う。おにぎりのご飯は冷ます
ミニトマトのへたは菌が残りやすいため、外してから洗う。水分をしっかり拭き取り、切らないで入れる。
滝沢さんは「食品中の水分は、中に含まれるタンパク質などの成分と結合しているものと結合していないものに分けられる。細菌は結合している水分中では増えない。塩漬けや砂糖漬け、ジャム等がいい例で、少し濃い味付けにすれば、傷みを避けられる」とポイントを説明。野菜はゆでるより焼いて水分を抜くか、漬物にする。揚げ物も適しているという。
抗菌効果があるとされるのはシナモン、ニンニク、クローブなどの食材。梅干しもクエン酸の殺菌効果がよく知られる。わさびに含まれる辛み成分「アリルイソチオシアネート」の抗菌作用は、弁当用抗菌シートにも利用されているほどだ。
一方、避けたい食材についても聞いた。
水分が多い生野菜はもちろん、ブロッコリーはゆでても使わない方がいいという。つぼみの間に水分を含みやすいからだ。
煮物も水気が多く夏の弁当には不向き。特にデンプンを多く含む芋類やかぼちゃは傷みやすいとされる。
◇おにぎりはラップで
おにぎりは素手ではなくラップで包むことで、手に付いている菌が移らない。冷ましたご飯で握ったらラップを開いて再度冷まし、蒸気を逃がす。最後は新しいラップに変えて包む。
具も梅干しや昆布といった味の濃いものがいい。
カレーは容器を移し、冷やしてから冷蔵庫へ
◇夏のカレー問題
弁当ではないが、暑い季節のカレーも、保存方法を誤ると食中毒になる恐れがある。
発生しやすいウェルシュ菌は酸素を嫌うため、予防のためにはよく混ぜて調理する。作り置きにするには冷ましてから別の容器や保存袋に移し、保冷剤や冷水でしっかり冷やす。鍋に入れたまま放置したり、冷蔵庫に入れたりしない。
「翌日に食べる時はしばらく沸騰させ、十分に加熱してほしい」と滝沢さん。冷凍保存も1週間ほどで食べ切った方がいいそう。
弁当をはじめ、おにぎりもカレーも、安全においしく食べたい。そのためには正しい準備と調理、保存方法を知ることが大切で、夏は特に気を付けたい。(柴崎裕加)
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(2024/07/26 11:00)
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