高齢者の病気のサインとは=気を付けたい症状と注意点
高齢になると、体の不調に何かと悩まされがち。風邪のような症状の陰に重大な病気が隠れていることはまれだが、自治医科大学付属病院(栃木県下野市)総合診療内科の松村正巳教授は「若い頃とは症状の出方に違いがあるので、少し注意してください」と話す。
◇長引いたら注意
人は本来、年を重ねると風邪を引きにくくなる。長い人生の中でたくさんのウイルスにさらされ、体に抗体ができているからだ。仮に引いたとしても、よほど衰弱していない限り、多くは自然に軽快していく。「問題は、症状が風邪によるものではない場合ですが、その見極めには幾つかのポイントがあります」と松村教授。
一つは、症状が長引く場合。風邪なら通常は1週間程で自然に治るが、それ以上経過しても治らない場合には注意が必要となる。もう一つは、症状の出方。風邪は鼻や喉、気管のウイルス感染により引き起こされるもので、くしゃみや鼻水、喉の痛み、せき、発熱といったさまざまな症状が複合的に表れる。
一方、「これらの中で特定の症状だけが出現する場合には、別の病気が考えられます」と松村教授は指摘する。
「くしゃみや鼻水は出ないけれど、発熱があり、せきやたんが主な症状の場合には、気管支炎や肺炎が疑われます。鼻が詰まり、黄色く粘り気の強い鼻汁が出る場合には副鼻腔(びくう)炎、発熱が長引く場合には結核や悪性腫瘍、膠原(こうげん)病などの恐れもあるので、医療機関を受診してください」
(2017/11/04 09:41)