下痢や腹痛伴う潰瘍性大腸炎=難病でも早期治療で症状緩和
◇有効な治療法が登場
治療には、大腸粘膜の異常な炎症を抑えるため、まずは5―アミノサリチル酸(5―ASA)製剤や副腎皮質ステロイド剤などが使われる。
症状が改善しない難治例は、これまで治療が難しかったが、近年は免疫抑制剤や抗TNF―α抗体製剤、血液中で異常に活性化した白血球を取り除く血球成分除去療法などの登場により、症状がかなり和らぐようになったという。
それでも効果が見られず、大量出血で頻繁に輸血を必要とする、あるいは潰瘍が大腸粘膜の深部まで進行し、大腸が大きく拡張する「中毒性巨大結腸症」の場合には、肛門を温存しながら大腸を摘出する手術が行われる。
潰瘍性大腸炎が長期経過すると発がんのリスクも出てくるので、定期的な検査が必要だという。「下痢や腹痛、排便の回数が増えるなどの症状が1週間以上続く場合は専門医を受診してほしい。早期の発見、治療が大事です」と中村教授は強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
- 1
- 2
(2018/01/04 15:02)