Dr.純子のメディカルサロン

緊急ノロウイルス対策 第15回

 閉幕した平昌冬季オリンピックでスイスの選手がノロウイルスに罹患(りかん)したという報道がありましたが、日本でもノロウイルスによる感染症が発生し始めたので、今回は緊急ノロウイルス対策についてお話ししたいと思います。


 ◇ノロウイルスは強い

 ノロウイルスがなぜ怖いかというと、非常に強い感染力を持ち、熱や乾燥にも耐えて自然環境で長く生存することができるからです。長期の免疫が成立しないため、一度かかってもまたかかってしまう可能性があります。

 また、ノロウイルスはヒトの腸管内でのみ増殖できるのですが、ごく少量の10~100個でも感染するため、家族など周りにいる人が罹患すると二次感染を引き起こしやすい。こうしたウイルスの特徴を認識することが大事です。

 主な感染経路は二つ。一つ目は、汚染された食品を食べることです。ノロウイルスに汚染された二枚貝(カキなど)を生や加熱が不十分なまま食べることによる感染です。カキは私も大好きなのですが注意が必要ですね。

 もう一つは、人から人への感染です。感染した人の排せつ物や嘔吐(おうと)したものに触れて、そこに含まれるウイルスを取り込んでしまう場合です。嘔吐によって空気中に飛散したウイルスを取り込む場合もあります。

 駅やショッピングセンターなどの水洗トイレでは、ノロウイルスに感染した人が嘔吐や排便すると、それを流す際にウイルスが空気中に漂い、その後でトイレを使用した人が感染してしまうケースもあります。流すときは必ずふたをして、ウイルスの飛散を防ぐことが感染予防になります。


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