熱や胸痛、重い合併症も
原因不明の難病―家族性地中海熱
◇コルヒチンが有効
症状の一つである発熱は、38度以上に体温が急激に上がるのが特徴で、半日から3日ほど続く。解熱剤などは効果が乏しく、熱が自然と下がるのを待つしかない。腹膜炎や胸膜炎による痛みの発作は、その強さや場所、経過はさまざまで、せきを伴うこともある。精神的なストレスや疲れ、月経などが症状を引き起こすきっかけになると考えられている。
治療には痛風発作に使うコルヒチンを飲む。繰り返す発作と「アミロイドーシス」と呼ばれる合併症を防ぐためだ。アミロイドーシスは内臓などに特殊なタンパク質が沈着、機能を低下させる病気で、重症化すると腎不全を起こし、透析治療が必要になることもある。コルヒチンは約9割の患者に効果が認められ、発作もなく日常生活を送れるようになるという。
「特に小さい子どもの場合は、家族性地中海熱と同じように一般的な感染症では説明のつかない周期的な発熱を繰り返すことがあります。心当たりのない発熱を繰り返すようであれば小児科を受診してほしい」と平家教授は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2018/06/27 11:06)