中高年の運転に潜む危険
低い緑内障への認識
特に問題になると考えられているのが、速度が上がると視野が狭くなる上に、視覚から得た多くの情報を短時間に処理しなければならない自動車の運転だ。信号や標識を見落としたり、横道からの飛び出す自動車や歩行者への対応が遅れたりすることによって事故を誘発するリスクが高くなる。
◇症状に対する誤解
この傾向と関連するのか、緑内障という病名自体の認知率は98.7%だったが、「症状をおおよそ知っている」は36.5%にすぎなかった。白内障やドライアイ、結膜炎などの認知率とは大きな差がある。さらに、周辺部の視野が狭くなるのが緑内障の症状だが、「症状をおおよそ知っている」「病名を聞いたことがある」と回答した人の中でも、半数近くが「緑内障になると視野が欠けたところが黒く見える」と、誤った認識を持っていた。
ファイザーの担当者は「緑内障は治療せずに放置すると、失明する可能性もある。しかし日本では、患者の約90%が無自覚のまま放置していると考えられている」と現状を分析。「視野異常が進行した場合は運転時の事故の可能性が高まる。運転する人には、特に関心を持ってもらいたい」と調査の狙いを説明している。
視野の欠損があるかどうか簡便にチェックできる「クロックチャート」もあり、インターネットなどで入手できる。
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(2018/07/22 16:00)