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家族・友人が悲しみショック
前園真聖氏、断酒のきっかけに

アルコール関連問題啓発フォーラムに参加した前園真聖氏=21日、埼玉県上尾市

アルコール関連問題啓発フォーラムに参加した前園真聖氏=21日、埼玉県上尾市

 「あなたと〝いい関係〟でいたいから。」と題したアルコール関連問題啓発フォーラム(主催=厚生労働省、埼玉県など)が21日、埼玉県上尾市で開かれ、トークセッションに元サッカー日本代表の前

園真聖氏が参加した。前園氏は酒に酔って暴力事件を起こして以来、断酒を続けており、「家族、友人に悲しい思いをさせたのがショックだった」と、断酒の経緯などを話した。

 ◇薬物より危険

 前園氏はかつて機会があれば友人らと飲酒していたが、「暴力事件で信用されない悲しみを感じ、自分を見つめ直すきっかけになった。家族や仲間がより重要で酒は必要がない」と実感。今は、酒席に参加しても飲酒しないことを周囲が理解していると語った。

アルコール関連問題啓発フォーラムのトークセッション=21日、埼玉県上尾市

アルコール関連問題啓発フォーラムのトークセッション=21日、埼玉県上尾市

 トークセッションには、漫画家で「酔うと化け物になる父がつらい」の作者菊池真理子氏、精神科医師の合川勇三氏(埼玉県立精神医療センター第2精神科科長)らが参加。合川氏は「身体への影響は薬物よりもアルコールのほうが危険」と指摘したほか、断酒に向けては「酒でのストレス発散は不健康。プラモデルでも運動でもよいから、酒から置き換える」よう勧めた。

 また、菊池氏は「父親が亡くなるまで依存症とは気が付かなかった」と語り、依存症が病気だとの認識が広がり、治療などに結び付くよう期待。トークセッションに先立つ講演で菊池氏は「父親の遺伝子を残さないため、子どもを持たないと決めた」などと、家族の苦しみを語っていた。(時事通信社・舟橋良治)


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